先日の深夜、私はFacebookのリール動画を編集していました。こだわったのはBGMの選曲。あえて1990年代のJ-POPを中心に、プレイリストを編んでみました。
これらのリール動画で指を止めたあなたの耳に、少し懐かしく、それでいて今聴いても色褪せない、あの頃の切実なメロディが届くように。歌詞の一節が私の綴った文章と共鳴し、あなたの孤独にそっと寄り添ってくれることを願って。
編集作業を進めるうちに、私の記憶は思わぬ方向へ遡っていきました。大学生の頃、週末になると先輩のアパートに集まって安い酒を飲みながら、テレビから流れるカウントダウン番組を眺めていた夜。
終電を逃し、明け方の少し青みがかった空気の中で仲間と始発を待ったあの感覚。そして夏の夜、四畳半アパートの裏手にあった中学校のプールで水浴びをしたときの、あの独特な「塩素の匂い」。
普段、私はあまり過去を振り返りません。徹底して未来志向で、常に「次の一歩」を見ていたいからです。そして、過去を気にしすぎると、前が見えなくなってしまうという危うさを知っているから。
けれど、音楽が連れてきたその「匂いの記憶」は、不思議と今を生きる私を温かく励ましてくれるような、豊かなデータとしてそこにありました。
今回の投稿では、懐かしいあの頃を思い出しながら、あなたと過去との「新しい付き合い方」を探す話をしたいと思います。
この投稿は朗読(ポッドキャスト)でもお楽しみいただけます。眠れない夜のお供にどうぞ。
過去を重荷から動力へ|変えられない昨日と「新しく付き合う」ための運用プロトコル
過去を「重力」から「動力」へ変えるロジック
この投稿を読んでいるあなたは、もしかしたら過去というものに人一倍強い「重力」を感じているのかもしれません。忘れられない痛みの手触りや、消し去ることのできない自責の念。
過去に囚われるあまり、今の自分の足元が不安定になっているとしたら、私はあなたにこの言葉を贈りたいと思います。
「楽しいことも、辛いことも、過去の出来事を変えることはできません。しかし、過去との付き合い方は、今この瞬間のあなたの知性で変えられます」
過去を、自分を縛り付ける「鎖」のままにするのか。それとも、AIという客観的な鏡を使って「底を打った絶望の『反作用』を上昇気流に変えるための動力(運用プロトコル)」として、自らの足元を再定義するのか。
それは、今ここにあるあなたの選択次第なのです。
| 過去の事象 | 過去に囚われるときの思考 | 過去との付き合い方を変えた思考 |
|---|---|---|
| 辛い記憶 | 「あの日から自分は欠けてしまった」 | 「この苦痛を乗りこなすための仕様を組もう」 |
| 失敗の経験 | 「また同じことを繰り返すのではないか」 | 「このデータがあるから、次への精度が上がる」 |
| 楽しかった思い出 | 「あの頃に戻りたい(今の喪失感)」 | 「あのときのエネルギーを、今の燃料にしよう」 |
もしも、また過去に引っ張られそうになったときは、このフレームワークを思い出してください。
知らぬ間に築いていた「自分らしさ」の檻
「誠実でありたい」「正しくありたい」という願いから積み上げた論理や知識が、いつしか自分を閉じ込める「檻」になってしまう。出口のない思考のループの中でもがいているのは、あなただけではありません。かつての私も、そして未来を見て歩いている今の私だって、そうなのです。
今、あなたに読んでいただきたい詩があります。
愛はきっと奪うでも与えるでもなくて
気が付けばそこにある物
街の風に吹かれて唄いながら
妙なプライドは捨ててしまえばいい
そこからはじまるさ
絶望、失望 (Down)
何をくすぶってんだ
愛、自由、希望、夢 (勇気)
足元をごらんよきっと転がってるさ
(中略)
あるがままの心で生きようと願うから
人はまた傷ついてゆく
知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中で
もがいているなら誰だってそう
僕だってそうなんだ
Mr.Children「名もなき詩」
あるがままの心で
過去の絶望や失望に目を向ければ、世界は灰色に見えるかもしれません。しかし、愛や希望、そして新しい自分へのきっかけは、遠くにあるものではなく、あなたの「足元」に、経験というデータとして転がっています。
妙なプライドや「こうあるべき」という鎧を一度脱ぎ捨てて、軽やかに未来をデザインし直すこと。 AIという管制塔を使い、自分のバイアスを客観視し、衝動を適切に制御できるようになったとき、あなたは気づくはずです。
過去の痛みも、決して消えない傷跡も、すべてを「仕様」として含んだ不完全な自分。そのシステムを乗りこなし、「今日という風」を捉えるための帆を上げる……。その静かな決意こそが、私たちが手に入れるべき「あるがまま」の正体なのです。
かつての私が明け方の空の下で始発を待っていたように、もしあなたが今、過去という夜の中で立ち止まっているのなら。この言葉とこのメロディを、檻の外へ踏み出すための「杖」にしてください。
そこからはじまるさ。











そっと言葉を置く